こちらの企画、無事に進行中!
参加者様6名+海月いおりの作品が揃いましたので、掲載します。
作品公開!全11作品!🌟
①
隣の席で大きないびきをかいている男子。
たった3人での補習なのに、よく寝れたものだ。
でも──、
「祐介さん。好きです」
目の前に立つ先生を見つめると、眼鏡の奥で瞳が揺れた。
「……僕も好きだよ」
心臓が跳ねる。けれどすぐ、チョップをされた。
「急に演劇の練習を始めないでください」
ふふ。
②
目覚めと共に鼻をくすぐるこの匂いが、私は大好きだ。彼の帰宅と共に部屋を満たす、彼の甘く柔らかな匂い。
彼は残業から帰ってくると真っ先に私の布団に飛び込んできて、寝ている私にたくさんのハグをしてくれる。
その時に香る彼の甘い匂いを知ってからは、どんな香水も私を満たすことは無かった。
③
「好きです」
「……ごめん。君とは友達以上にはなれない……」
桜が散る季節だから?
彼から出た言葉が、鋭い刃のように私の心に突き刺さる。
「そっか…」
お互い無言で立ち尽くすことが辛くて。目に涙が浮かんだ私は静かに立ち去った。
肩に積もった花びらを振り払っても、虚無感は消えなかった。
④
「私、あなたのことが好きです」
「僕も好きでした」
「過去形……?」
「……うん」
そこで言葉を止め、真っ直ぐと私の目を見つめる。そして、小さく言葉を継いだ。
「たった今、大好きになりました」
彼の照れくさそうな笑顔が、月灯りで輝いて眩しい。
私もそっと微笑むと、優しく抱き締められた。
⑤
「先生、大好き!」
「はいはい」
これで何度目か、君は諦めずに言ってくる。僕は、適当に流してきた。
彼女の見せる満面の笑みは、同僚の小言も嫌な残業までも忘れることができる。
小柄な彼女の頭に触れる。
──僕の気持ちを伝えたら、君はどんな笑顔を見せてくれる?
⑥
「なぁ、何してるの?」
部屋でくつろいでいると見ているスマホがつまらなくなった晴哉は本を読んでる冬馬に後ろから抱きつく。
「今、本読んでる」
それを気にもせず、冬馬の顎を持ち上げた。タバコの香りが冬馬の口の中に広がる。
「やめてよ。今じゃない」
冬馬は、頬を真っ赤に染めた。
⑦
最近占いを勉強してるんだけどさ、君で練習させてくれない?
…いいの? ありがとう!
じゃあ早速やっていくね。
ふむふむ、夏祭りに行くと運気UPだって。 2人で行くともっと運気が上がるみたい!
そういえばさ、来週この近くで夏祭りがあるでしょ? これは私と行くしかないよ!
今度一緒に行こ?
⑧
ある日、街に一枚の貼り紙が増えていた。
「一年後に今日の天気を覚えていた者に賞金を与える」
皆、その日の天気を忘れないように生きていた。一年後。事実が判明する。
貼り紙が貼られたのは皆が思っていた日の前日の晩だった。誰も一日前の天気は覚えていなかった。折角、虹が出た日だったのに。
⑨
「ねぇ、春はまだかな?」
「11月に何を仰います」
彼女にツッコんでから、スマホを持つ。
「でもでも、桜が見たいんだよ~!」
「いやぁ、冬に言われてもねぇ……」
桜と検索して、出てきた動画を開いた。
「おや、こんなところに春の気配が」
「あー! 桜だ!!」
眩しい笑顔は春のよう、なんて。
⑩
「先生、ワイシャツの襟、変になってる」
学校に登校してHR終わりに声をかけた。担任の熊谷先生は慌てて来たのかいつもどこか崩れてる。今日はワイシャツの襟が変だった。
「おう。サンキューな。助かるよ」
独身でろくに朝ごはんも食べてないんだろうなと想像する。
「私が見てあげるから」
⑪
夜空に煌めく月を見る度に、遠い日の恋の記憶を引き戻す。君の笑顔が僕の心をいつも温めていた。
──でもあの時の君は、もういない。
二度と会えない、君の元へ僕も行きたくて。僕は届かない月の光を手で集めた。
ただひたすらに心の中で君を想い、この光の破片と共に月夜の君へ僕は語りかける。
結果発表
こちらにて作者様の公開を行っております。↓
お楽しみにー!!